DNSがよくわかる教科書 ch14 DNSにおけるプライバシーの概要と実装状況

DNS勉強メモ

出典: 


DNSにおけるプライバシー上の懸念点とその解決策

  • confidentiality を確保するための標準化

プライバシー上の懸念点

  • 懸念点

    • 懸念点1 スタブリゾルバー - フルリゾルバー間の通信傍受
    • 懸念点2 フルリゾルバーのログ
    • 懸念点3 権威サーバーのログ
  • 漏れる情報

    • 誰がいつ何を見ようとしたか
    • スタブリゾルバーのIPアドレス
    • 時刻、ドメイン名、タイプ
    • ある組織/ISPの利用者がいつ何を見ようとしたか
    • フルリゾルバーのIPアドレス
    • 時刻、ドメイン名、タイプ

各懸念点の解決策

  • 2013 PRISMの暴露

    • 米国国家安全保障局(NSA)による極秘通信監視プログラム
  • IETF見解: 「Pervasive Monitoring (広域かつ網羅的な通信の傍受・情報収集)は攻撃である」

  • インターネット上でのすべての通信の暗号化を進めることに(常時SSL/TLS通信)
  • 懸念点1 スタブリゾルバー - フルリゾルバー間の通信傍受
  • これについてはスタブリゾルバー - フルリゾルバー間の通信路の暗号化を進めることに

    • DNS over TLS
    • DNS over HTTPS
  • 懸念点2 フルリゾルバーのログ
  • これの侵害は日本においては刑事罰対象
  • パブリックDNSサービスの中には、使用履歴を記録に残さず、得られたアクセス情報を利用しないことをプライバシーポリシーに明記しているものもある

    • 1.1.1.1など
  • 懸念点3 権威サーバーのログ
  • QNAME minimisation

    • 問い合わせを小出しにすることによる解決策

QNAME minimisation

  • QNAME minimisation (問い合わせ情報の最小化)
  • RFC7816 — DNS Query Name Minimisation to Improve Privacy
  • フルリゾルバーが権威サーバーに問い合わせるさいに、名前解決に必要最低限の情報のみを問い合わせるように

    • 目的の組織の権威サーバーにたどり着くまではNSレコードのみを問い合わせる
  • メリット

    • プライバシーの向上
    • ルートサーバーはTLDのNSレコードの問い合わせがあったことしか知らない
    • TLDのルートサーバーは2LDのNSレコードの問い合わせがあったことしか知らない
  • デメリット

    • 問い合わせ効率の低下
    • ゾーンカットが必ずしもあるわけではない
    • ゾーンカットがなかったとき、無駄な問い合わせが生じる

      • 例: co.jp.のNSレコードをjp.の権威サーバーに問い合わせる

DNS over TLS

  • DNS over TLS

  • DNS over DTLS

  • いずれもスタブリゾルバー - フルリゾルバー間の通信路の暗号化を想定

DNS over HTTPS

  • DNS over TLSは853番ポートがブロックされていると使えない
  • DNS over HTTPS

    • HTTPSのGET/POSTメソッドでDNSパケットをそのまま使う